福岡県、熊本県の県境に接する日田は、古くから九州の交通の要衝として栄えた町。江戸時代には幕府の直轄地「天領」が置かれ、“九州の小京都”と称されるなど有形・無形の優れたものが誕生。ユネスコの無形文化遺産に登録された日田祇園祭や天領時代の面影を色濃く残す豆田町や隈町はその名残だ。また、周囲を山に囲まれ多くの河川が流れる地形を生かし、筑後川(=三隈川)を使って日田杉や檜を下流の家具の町・大川へと運ぶことで栄えた林業地でもある。東京や福岡の名店で料理の腕を磨き、地域おこし協力隊として故郷にUターンした「桜滝KITCHEN」の吉良将太さんは、日田中心部を流れる三隈川を「心の原風景」と話す。「日が暮れて温泉街の明かりが水面に映る夕景は本当にきれい。夏場は鵜飼の船や屋形船も浮かび、風情が増しますよ」。そんな日田を豪雨が襲ったのは2020年のこと。「とくに天ヶ瀬温泉街は玖珠川が氾濫して壊滅的な被害を受け、私も協力隊として炊き出しに奔走しました」と吉良さん。今は災害復興を経て新しい温泉地の姿を模索している最中だという。「天ヶ瀬温泉の有志たちが企画した町おこしの一つとして、川でSUP体験をしてもらうなど、自然を生かしたアクティビティも計画中です。川はときに自然の怖さを見せますが、やっぱり日田の人にとって心の拠り所なのでしょうね」と話す。近年は“奥日田”と呼ばれる南部エリアにスノーピークのキャンプ場や人気アニメの聖地が誕生し、新たな賑わいも生まれている日田。「山あいに思いがけない都あり」と文人墨客に愛された町は、いまもなお思いがけない魅力に出合えるエリアへと育っている。
看板メニューはローストビーフ丼で、しっとり柔らかい赤身肉に日田梨を使ったほんのり甘いソースがマッチ。内装は日田杉、器は地元の小鹿田焼を使うなど日田に根差した店作りを心がける。遊歩道を10分ほど奥に進むと落差約25m、幅約15mの名爆・桜滝がある。
住所/大分県日田市天瀬町桜竹644-4
電話/080-5282-3857
営業/11:00〜17:00(ラストオーダー16:30)
休み/火曜、水曜
@sakuradaki_kitchen
九州最大の河川・筑後川の上流にあたり、“水郷日田”の象徴的存在。川沿いに温泉旅館が立ち並び、川面に屋形船が浮かぶ情景は日田ならでは。11〜4月は屋形船に障子を張り、雪見船として運航。河辺の遊歩道を散策するだけでも趣がある。
住所/大分県日田市隈5
電話/0973-22-2036(日田市観光協会)
営業/終日
休み/なし
https://oidehita.com
大正6(1917)年築の国指定登録有形文化財に指定された土蔵を改装した鉄板焼店で、三隈川や亀山公園を正面に望む借景は唯一無二。豊後牛や尾崎牛を使ったステーキのほか、肉本来の味が口いっぱいに広がるハンバーグステーキはわざわざ訪れたい味だ。
住所/大分県日田市隈2-4-13
電話/0973-24-2728
営業/12:00〜14:30、17:00〜21:00
休み/不定休
@teppan_wakura
日田の奥座敷・大山の渓谷を見下ろす温泉宿。響渓谷を一望する大浴場は2024年7月にリニューアル。テラスや寝湯(日替り)が新設され、さらに渓谷美が楽しめるようになった。寒暖差が大きい秋〜春は朝もやに包まれ幽玄の世界が広がることも。
住所/大分県日田市大山町西大山4587
電話/0973-52-3700
営業/日帰り入浴11:00〜14:30
(最終受付14:00)
休み/水曜
料金/日帰り入浴:大人1,200円、小学生600円
@umehibiki
築120年の蔵をリノベーションしたカフェと、一棟貸しの古民家ステイが一体となった施設。カフェは地元の食材を中心に使い、丁寧に作った軽食やスイーツが味わえる。森に抱かれた静かな空間で、非日常なひとときに浸りたい。
住所/大分県日田市天瀬町赤岩490
電話/080-8502-0362
営業/カフェ11:30〜15:00
(オーダーストップ14:30)
休み/水曜
@go_un.hita
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